無料FTPソフトFileZillaの偽物が! パスワードを盗み取るスパイ機能付き
 
Tim Kosseさんが提供する無料FTPソフト FileZilla Client のニセモノが確認されてるとチェコのセキュリティ会社 Avast! がブログで報告しました。
 
イメージ 1
FileZilla 公式サイト
 
おっかないことに、このニセモノはFTPソフトとしての機能がない完全まがい物ではなく、ナンとホンモノの FileZilla にパスワードを盗み取る機能が追加されてるというイヤらしいお話!
Malformed FileZilla FTP client with login stealer (avast!)
http://blog.avast.com/2014/01/27/malformed-filezilla-ftp-client-with-login-stealer/

FTPクライアント「FileZilla」のマルウェア版が出回る - 偽物は更新が不能 (マイナビニュース)
http://news.mynavi.jp/news/2014/01/30/460/
何でこんなことが実現されてしまったのかというと、FileZilla はソースコード(プログラムの設計図)を誰もが入手できる オープンソースプロジェクト として開発されてるため。
 
公開されてるソーストコードに、攻撃者がトンデモなスパイ機能を独自に追加して実行ファイルにしてバラ撒いたみたいです。
 
いちおう Avast! のブログでは、アップデート更新機能が殺されてたり、コンパイル(ソースコードを実行ファイルへ変換)環境の違いからバージョン情報の表記に違いがあるということだけど、2つを見比べるでもしないと見分けられん話。

◆ コンパイル日は2012年9月! 1年以上にわたって捕捉されず

Avast! が報告した不正な2種のバイナリは、今でこそセキュリティ会社が脅威として対応済みです。 (「StealZilla」なんてウイルス検出名はウマイねぇ) 
Avira TR/PSW.StealZilla
Avast Win32:Stealer-AX Win32:Stealer-AY
AVG PSW.Generic12.ZDX PSW.Generic12.ZDW
ESET Win32/PSW.StealZilla.A
K7 Computing Password-Stealer
Kaspersky Trojan-PSW.Win32.FTPharv
McAfee PWS-FBOT
Microsoft TrojanSpy:Win32/StealZilla.A
Symantec Infostealer
Trend Micro TSPY_STEALZILA.A
ちなみに、偽の実行ファイルは2つあって、コンパイルされた作成日付がそれぞれ
 
・ 2012年9月 ← 1年以上も前!!!
・ 2013年9月
 
ということで、Avast! が今回発表するまで、ウイルス定義データで脅威と判定してたセキュリティ会社が存在しなかったことも指摘してます。
 
正真正銘ホンモノの FileZilla に不正な機能がちょっと付け足されてるようなものなので、長期間うまく逃れることができた感じ?

◆ ニセモノの配布場所は公式サイトではない野良サイト

今回発覚したWindows向けの 偽FileZilla は、公式サイトでも何でもない外部の野良サイトで配布されてることが分かってます。
 
filezilla_3.5.3_win32-64.exe
FileZilla_3.7.3_setup.exe
 
FileZilla のインストーラファイルには、デジタル署名が付いてないのでファイルだけで見分けるのはムリ…
 
公式サイトなど信頼の置ける場所で FileZilla のインストーラを入手するのが安全ということになります。
 
http://filezilla-project.org/
http://sourceforge.jp/projects/filezilla/
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/net/se493400.html

ただし、一応トラップもあるので下のブログ記事を参照くだされ。
 

FileZillaはパスワードを設定ファイルに生身で保存する!

上の 偽FileZilla とは直接関係ないお話ですが、FileZilla はアカウント情報のパスワードを設定ファイルに生身の状態で出力します。
 
パスワードを保存する設定にしておくと、常にパスワードを引っこ抜かれてもおかしくないヤバイ状態なのでユーザーさんは注意が必要です。