<注意>SafeCartとは決済代行 電話サポート詐欺で遠隔操作被害?
ユーザーの不安をあおり、警告で驚かせて有償版の購入を誘う迷惑ソフト がいろいろ確認されています。
それに関連し、SafeCart について調べるユーザーさんのアクセスがありますかい? 

「SafeCart」 でググってみると、Yahoo!知恵袋には悲鳴の声や質問の投稿以外に、非難の声として 「SafeCart は詐欺会社だっ!」 と断罪する口コミ評判も投稿されています。
Yahoo!知恵袋の SafeCart に関連した投稿数 (単純な検索ヒット数) の推移はこんな感じでした。
- 2013年 2件
- 2014年 2件
- 2015年 6件
- 2016年 10件 ← ピーク
- 2017年 1件
ただ、そこには SafeCart の誤解のようなものがあって大丈夫かいな、ってなお話です。
SafeCart とは海外の決済代行サービス
まず、SafeCart (セーフカート) は会社名、ソフトウェア名ではありません。
これは サービスの名称 であり、たとえば PayPal と同様で オンライン決済代行サービス です。
その SafeCart の英語のトップページを見ると、クレジットカード番号の下4ケタ、氏名、郵便番号から具体的な請求内容を調査する入力フォームが用意されています。

SafeCart 公式サイト
https://www.safecart.com/
https://www.safecart.com/
【会社紹介ページより日本語翻訳】
SafeCart はダウンロード可能なソフトウェア、電子書籍、メンバー限定サイトへのアクセス、その他のデジタル製品を購入するため、安全で使いやすいインターネットショッピングの手段を提供する主要なクレジットカード決済システムの1つです。私たちは、TRUSTe のプライバシー保護の受賞、VeriSign Extended Validation SSL のステータスなど、電子商取引業界の最高レベル認証を達成するために努力しています。 SafeCart を通じて購入すると、あなたのプライバシーとセキュリティが保護されます。無題な濃いログ
SafeCart では Visa、MasterCard、American Express、Discover、Diners Club、JCB のいずれかでお支払いが可能です。 私たちはまた、支払いの選択肢を望む購入者のため、PayPal と統合しています。
SafeCart はカナダのビクトリア州に本社を置く RevenueWire Inc. が保有しています。
たとえば、海外製のソフトウェアを購入したい場合、ソフトウェアの購入代金を支払わないといけないけれど、クレジットカードの決済処理は SafeCart が中間に入って仲介(代行) します。
これにより、消費者はソフトウェア開発元にクレジットカード情報や詳細な個人情報を渡すことなく、商品を日本円で購入できるメリットがあります。
< 海外のソフトウェア開発元 >
有償ソフト ↓ ↑ 購入代金
有償ソフト ↓ ↑ 購入代金
< 消費者 >
< 海外のソフトウェア開発元 >
↓ ↑
有償ソフト ↓ SafeCart
↓ ↑ 購入代金
↓ ↑
有償ソフト ↓ SafeCart
↓ ↑ 購入代金
< 消費者 >
ちなみに、この決済代行サービス SafeCart を提供してるのは、北米カナダにある RevenueWire Inc (リベニュー・ワイヤー) という企業です。
<日本国内の会社ではなし

RevenueWire 公式サイト
https://www.revenuewire.com/
https://www.revenuewire.com/
電話番号に問い合わせてPC遠隔操作の被害!?
一方で、Yahoo!知恵袋の投稿を見ていると、次のような 消費者トラブル が発生しています。 

【1】
イルラエル製の迷惑ソフト Reimage Repair をWindowsパソコンに導入している
あるいは
ブラウザでネットサーフィン中、いきなり勝手に偽警告ページが表示される
【2】
デタラメな嘘の警告エラー画面に驚き、提示された サポート電話番号 に問い合わせてしまう
【3】
変な日本語をしゃべる怪しい外国人が電話に登場し、PCの遠隔操作を提案してくる
【4】
PCの遠隔操作に応じてしまったユーザーさんが、言われるがまま有償のPCサポート契約を結んでしまう
このPCサポート契約の料金の支払い手段として、決済代行サービス SafeCart が使われているようです。
- SafeCart のロゴマークが表示されたショッピング画面
- SafeCart から送信されてくる確認通知のEメール
- SafeCart がクレジットカードから料金を引き落とす
「SafeCart という海外企業にPCを遠隔操作された!?」 「詐欺会社 SafeCart にお金を騙された!?」 といった勘違い・誤認識・誤解するユーザーさんが出現してしまう形です。 

SafeCart サービスが詐欺家業の片棒を担いでいる、というのは言えなくもないけど。。。 



電話サポート詐欺に注意!
いわゆる 電話サポート詐欺 と呼ばれる手口で前から公的機関も注意喚起してます。
- パソコン用セキュリティソフトのダウンロード販売に関する相談 - 国民生活センター
https://www.ccj.kokusen.go.jp/jri_sysi?page=pcSecurity - “ウイルスに感染した”という偽警告でサポートに電話するように仕向ける手口に注意 - IPA 情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20160621.html
- 電話詐欺を避ける | サイバー犯罪テクニカル サポート詐欺 | セキュリティの脅威 - マイクロソフト
https://www.microsoft.com/ja-jp/safety/online-privacy/avoid-phone-scams.aspx
ネット上の取り引きは、相手の顔が見えません。
何だかんだ自分が ドコのダレと契約してるのか把握せず安易にクレジットカード情報を送信 するのは危ないです。
PC遠隔操作をユーザーさんの意思で許可するなんて尚更です。
海外企業となると、何か請求・返金トラブルにあっても海外ショッピングは自己責任の領域です。
- 海外企業との契約は日本の法律が適用されず保護対象でない
- ユーザーサポートは日本語が通じず英語で対処しないといけないパターン多い
<2020年5月 追記...>
電話サポート詐欺を行っていた企業2社 (ICE Inbound Call Experts、Vast Tech Support) の決済処理について、米国 FTC 連邦取引委員会が RevenueWire と CEO が和解金675万ドル、日本円で約7億円を支払うと発表しています。 

● Credit Card Launderer for Tech Support Scams to Pay $6.75 Million to Settle FTC Charges | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/04/credit-card-launderer-tech-support-scams-pay-675-million-settle【記事の一部の日本語訳】
技術サポート詐欺でクレジットカードのロンダリングを行う業者に対して、FTCの告発を和解するため675万ドルを支払うことになりました。
カナダの企業 RevenueWire とその CEO である Roberta Leach は、以前から FTC から訴えられた2つの技術サポート詐欺のために、クレジットカード支払いのロンダリング、支援、促進をした FTC の告発を解決するため、675万ドルを支払うことになりました。
Andrew Smith は 「消費者からお金を盗む詐欺師にとって、捕まらずにお金を得る方法を見つけることが不可欠です。RevenueWire がまさにやったことは、技術サポート詐欺師のためにクレジットカードのシステムを介して、彼らの取引をロンダリングすることです。」 と述べました。
FTC によると、RevenueWire は、自社の電子書籍やソフトウェアの販売のためクレジットカードの決済を処理するため、決済処理業者との間で加盟店のアカウントを取得する契約を結んでいました。この契約では、RevenueWire がその加盟店のアカウントを使って第三者の売上を提出することは禁じられています。しかし、実際には、RevenueWire はそのアカウントを使ってクレジットカードの決済を処理していました。そして、RevenueWire はそのアカウントを使ってクレジットカードの決済を処理し、ICE と Vast という2つの企業に代わって消費者から支払いを回収していました。
ICE と Vast に対する FTC の過去の訴訟によると、両社のテレマーケティング担当者は、イベントビューアーと呼ばれるコンピュータの共通機能を使い、消費者の端末にウイルスやパフォーマンスの問題があり、数百ドルの費用をかけて修理する必要があると騙していたという。また、RevenueWire は、消費者に ICE や Vast に電話をかけるよう誘導したリードジェネレーター(詐欺的なウェブサイトの運営者など) への請求も処理していた。