<安全>マイクロソフト配布のランサムウェアウイルスに感染してみた

Windows 10 に実装されている無料ウイルス対策ソフト Windows Defender には クラウド検出機能 というセキュリティ防護層が用意されてあります。
そんなクラウド検出機能の動作確認をしたいユーザーさん向けに、マイクロソフト自らが 疑似マルウェアファイル なるブツを公開していますよ。 


Windows Defender ウイルス対策のネットワーク接続の構成とテスト - Microsoft
Microsoft から疑似マルウェア ファイルのダウンロードを試みる
クラウドに正しく接続されている場合は、Microsoft Defender ウイルス対策によって検出およびブロックされるサンプルファイルをダウンロードできます。このファイルは、実際のマルウェアではありません。 正しくクラウドに接続しているかどうかをテストするために作成されたダミー ファイルです。正しく接続されている場合は、Microsoft Defender ウイルス対策通知が表示されます。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/threat-protection/windows-defender-antivirus/configure-network-connections-windows-defender-antivirus
■ ランサムウェア? 実行ファイルの詳細

validatecloud.exe
123,456 バイト
MD5 65a53a41217ff82d23d3571dbb7f5898
SHA1 a7bf4809d0a968682b1194eff3a71ce3d8aba744123,456 バイト
MD5 0593891cb9089455ba2567443be40dce
SHA1 76a888abc8c7a8dab91d2949030857312f652866
123,904 バイト
MD5 46111892fbe80afea272d8601d72f275
SHA1 46a01aa999843c55eb8ef7031c1db0d23ee30342
何か怪しそう…。
いちおう、Windows PC に損害を与えないマイクロソフト謹製で危険性のない無害ファイルであるにも関わらず、マイクロソフト以外のセキュリティソフトが validatecloud.exe をトロイの木馬ウイルスで脅威扱いにする場合があります。 

ESET MSIL/Hoax.FakeFilecoder.CX
BitDefender Gen:Variant.Application.Joke.3
Kaspersky Trojan-Ransom.MSIL.Agent.aaz HEUR:Hoax.MSIL.FakeRansom.gen
実行ファイル validatecloud.exe をポチポチッとダブルクリックして起動すると ”ウイルス感染”の症状は?
手元で動作確認してみところ、事前知識なしだと 『ファイルを暗号化するコンピュータウイルスに感染して身代金の支払いを要求されている~! (悲鳴)』 と誤解しかねない恐怖のウィンドウ画面が表示されました。 







File "Protection" Service
Your files will be permanently deleted in:
23:XX:XX
Encrypting Hard Drive
[Decrypt Files]
Requires encryption key. Click "Pay Now" to buy your key.
[Contact Us] [Pay Now]
ウィンドウ画面上ではソレっぽい演出として、次のような動くアニメーションが用意されてありました。
- 「あなたのファイルは永久に削除される」 として24時間カウントダウン
- 「ハードドライブを暗号化中」 として進捗状況バーがビヨ~ンと伸びる
ただ、このプログラムが疑似マルウェアであるとフォローする説明はなく、マイクロソフトが配布している事実を知らないと、まんま 「作りかけの未完成ランサムウェア」 か 「笑えないジョークプログラム」 にしか見えんです。

内部構造的にランサムウェアやウイルスとして振る舞う動作はなく、ウィンドウ右上の☓ボタンで ”ランサムウェア” は何なりと終了できるからご安心を。