マクロウイルス影響環境 Android iPhone Macでワード/エクセルファイル開いたら感染?
「マクロウイルス」「マクロ感染型ウイルス」 と呼ばれる不正な Microsoft Office ファイルは、具体的にどの環境に影響するんかいな。 



- Word ファイル
拡張子 .doc / .docm
- Excel ファイル
拡張子 .xls / .xlsm
まず、大前提としてマクロウイルスは Microsoft Office に標準で実装されてる次の機能を悪用する脅威です。
Visual Basic for Applications
(略称 VBA)
びじゅあるべーしっく・ふぉー・あぷりけーしょん
(略称 VBA)
びじゅあるべーしっく・ふぉー・あぷりけーしょん
この VBA マクロ機能が実装されてる製品は、Windows 向け Office と Mac OS X 向け Office for Mac の2つに限定されます。 




■ マクロウイルスの影響がない環境
…ってことで、次のような環境は マクロウイルスが動作する Office 製品が存在しないので影響範囲の対象外 です。
- Microsoft Office 互換のオフィスソフト
LibreOffice、OpenOffice、Kingsoft Office など
- スマートフォン&タブレット
Android OS、iOS(iPhone/iPad)
- オンラインストレージ上の閲覧ビュー
Office Online、OneDrive、Google Drive、Dropbox など
- 携帯電話(ガラケー)、ゲーム機、テレビ、など
このような端末上で、仮にも不正な MIcrosoft Office ファイルを開いたとしても、100%無害で危険性がない考えてもらって大丈夫です。 



攻撃対象は Windows XP/Vista/7/8/10
ネットバンキング不正送金ウイルス や ファイル復元できないよう暗号化するランサムウェア の ”運び屋” としてマクロウイルスを 添付した 迷惑メール(スパムメール)をバラ撒く手口 が2014年あたりから活発です。
この感染被害ターゲットは Windows XP/vista/7/8/10パソコンだけ です。 

■ Office for Mac の影響は?
VBA マクロを処理する不正なコードは、あくまで Windows 上で不正な動作を行うよう設計されてます。
Mac OS X 向け Office for Mac は、Windows 向け Microsoft Office のマクロ機能に互換がなく、限定的な処理しかできない制限もあるので、影響はまずありません。
<2017年2月 追記...>
復活を遂げたマクロウイルスで、Windows ではなく Mac OS X が攻撃ターゲットとなる不正な Wordファイル(拡張子 .docm) が確認されました。
Windows と比べて、超珍しいので大きくニュースになってます。 

・ Macをターゲットにした「マクロウイルス」が登場、Wordの自動化マクロを用いて個人情報を盗む - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20170210-mac-malware-word-macro/
https
・ Microsoft Office macro malware targets Macs - Malwarebytes
https
マクロウイルスのファイル名は、米国シンクタンクであるカーネギー国際平和基金から 「米国大統領にトランプ氏が当選した」 ことに関連した資料を装ってます。
【Mac向けマクロウイルス】
ファイル名 → U.S. Allies and Rivals Digest Trump’s Victory - Carnegie Endowment for International Peace.docm
DM5ハッシュ値 → 1de4838f13c49d9f959d04b363326ac1
これは、オンラインファイルスキャン VirusTotal 上にアップロードされていたファイルから発掘されたものです。
- 2016年12月 不正な Word ファイルの作成
- 2017年1月 VirusTotal にファイルのアップロード
- 2017年2月 マクロウイルス発見のニュース
時間が経過してるため、マクロウイルスから最終的に感染させる Mac マルウェアが何だったのか分かっておらず、どういう形で配信されたのか攻撃の背景も不明だけど、標的型攻撃ではないかと推定されてます。
マクロウイルスが Mac OS X 環境下で流行る状況はいっさい起こってません。